量子力学 ■Q&A■

【Q】   「検算」と「計算」とは何が違うのですか?


【A】

同じ計算を2回行って計算ミスを修正するというのが普通の検算ですが、 このサイトの中で度々登場する「検算」という用語は、それとは少し意味が異なります。

通常の計算では、「データ」と「計算式」が先に存在していて、データを計算式 に作用させて「答え」を得ます。計算をする前の時点で「答え」は未知ですが、 計算を行なうことで、答えを知ることができるのです。

「計算」と「検算」の違い

「固有方程式」で未知なのは「固有状態」です。作用素としてのデータに作用させても 変化しないというのが「固有状態」の定義です。その固有状態を探すわけですが、 データ行列からどのように計算をしても固有状態は得られません。 もし、それが可能なら固有方程式の「解の公式」があることになりますが、 そのような公式は存在しないことがわかっています。

何でも良いから、何かを「答え」だと仮定して、データに作用させてみる。 もし、仮定したものが正しい「答え」だった場合には、作用を受けても同 じものが出力されるので、それが「答え」だったと解るのです。  これを「検算」と表現しています。

「固有方程式」は「計算」では解けなくて、「検算」できるだけです。

些細な違いのように感じますが、ここに大きな違いが隠れています。 「データ」から「計算」されたものは、たとえどんな結果であろうとも、 「データ」が変化した射影に過ぎません。

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