量子力学 ■Q&A■
なぜ「行列の掛算」と「作用」が同じことなのですか?
「行列の掛け算」は、次の様に計算することになっています。
なぜ、このような不自然な計算になるのでしょうか?
計算の意味をわかりやすくするために表示位置を、ちょっとだけ変えてみます。
こうすると、同じ列の「a」と「x」、「b」と「y」をかける理由が見えやす
くなります。行列の掛け算は、上から入って、右に出ることになっているのです。
このように表記した方が直観的に理解しやいのですが、式を書くのに無駄に広い場所をとらないように、上側に 置くべきものを右側に書くことにしただけです。
2つの行列の掛け算をするとき、左側の行列の「列数」と、右側の行列の「行数」が一致しないと、 そもそも掛け算は「できない」ことになっていますが、その理由も一目瞭然です。
この演算は、下記のような「材料リスト」を「食品成分表行列」に掛けて「栄養リスト」 を計算する場合に行うべき手順と、全く同じ形になっていることがわかります。
この演算は、意味としては「材料リスト」を「食品成分表行列」に作用させたら「栄養リスト」に 変換された、という、「作用素による変換」ですが、同時に、「行列の掛け算」としても正しく 成立しています。
「行列の掛け算」は、作用素が「作用」することと同じなのです。