#03■作用素とは?
外から「入力」を受取り、それに何らかの規則的な変換を行って、結果を出力するようなものを「作用素」と呼びます。 あるブラックボックスに「4」を入れると「2」になって出てくるとします。 その同じブラックボックスに「9」を入力すれば「3」が出力されるような場合、この変換を実行しているブラックボックスが「作用素」です。
作用素による変換には、必ず「規則性」が必要です。 このケースでいえば「入力のルート(平方根)を計算して出力する」という規則です。
4や2は「数」ですが、作用素自体は数ではありません。 作用素は外から入ってきた数字に作用して、それを変化させます。 他のものに働きかけて(作用して)変化させるので作用素と呼ぶのです。 作用する相手は数字とは限りません。たとえばカンパリを上から注ぐとカンパリソーダが出てくるような装置があって、 それに焼酎を入れたら酎ハイができるというような場合、この機械も作用素の一種といえます。
「注入された液体と同量の炭酸水を加えてから出力する」という規則が、この作用素にもあります。 レモンジュースを入れればレモンソーダが出ると予想できます。 このように、入力に対して規則的な変換をして出力するものなら、何でも「作用素」です。
なぜ、こんな当たり前のものにわざわざ難しい名前をつけるのでしょうか?
実は、作用素に対して「固有状態」という特別の状態があって、それが 量子力学では、とても重要な意味を持つものだからです。
「固有状態」を説明する土台として、作用素というものを先に用意しただけです。
それでは、固有状態とは何でしょうか?